威圧感が漂う
現行センチュリー


熊本市東区に位置する健軍商店街。戦後まもない1940年代から発展し、人々の暮らしを支える店が軒を連ね、今なお地元民に愛されている。その商店街の角を曲がると、不思議なほど、街の雰囲気が一変。バーやスナック、小料理屋が密集した、昭和レトロな夜の街が出現する。そこに佇む現行センチュリー。 エアロとホイールを入れ、車高はベッタリ。威圧感が堪らない。この車輌を手掛けたのはモーターリンク熊本だ。






モーターリンク熊本の代表は西山航司サン。愛車の50センチュリーで本誌の表紙に輝いたこともある。VIP界隈で彼を知らない人はいない。今回、現行センチュリーをイジった理由は、「個人的にセンチュリーが大好きなので、その新型が出たからには、やらないわけにはいかなかった。日本一の高級車でモーターリンク熊本のセンスや技術力を見せつけたいと思いました」。
納車は昨年10月。まず、足まわりから手を入れた。選んだのはイデアルのエアサスで、最上級モデルのエアマックスを組む。ホイールはワーク イミッツ。純正ちっくな雰囲気を残したいという思いもあり、となると、このホイールしかなかった。改めて言うまでもなく、ハマり具合はこの上ない。もう、オプションとしてセンチュリーのカタログに載せてもいいんじゃないか、そんな風に思 うほど似合っている。


「サイズは21インチ。見て欲しいのはイミッツの被り具合。21インチの場合、普通のやり方でやるとアームロックしてしまうので、落とせてもリムツラまで。このクルマはオーバーフェンダーをやっているわけじゃないので、それじゃ、物足りない。だから、ショートナックルに交換してリムが被るまで落としています」。
センチュリーらしさを出すために、あえてツラは甘くし、余裕を持たせている。だから、誰でもすんなり、こんな風になるんじゃないかと勘違いされそうだが、現行センチュリーの純正アームをイジる勇気がなければ、こうはならない。


エアロパーツはアーティシャンスピリッツを選択。記憶が定かではないが、たぶん、アーティシャンスピリッツは日本で1番か2番の早さで現行センチュリー用エアロを完成させた。それ以来、ずっと気になっていたそう。「その時、自分が見たアーティシャンスピリッツのデモカーのボディカラーはシルバー。でも、このセンチュリーは黒。そして、自分が望んだ仕様はスポーティではなく、威圧感でした。ですから、アーティシャンスピリッツのラインは生かした上で、フロント、サイド、リアに開けられていたダクトは全てスムージングして埋めました」。
一切の妥協がない。自分がカッコイイと信じたスタイルを具現化するためには、例え2000万円超えのクルマでも足まわりをバラバラにするし、例え気に入っているメーカーの新品エアロでも厭わずに加工を施す。これがモーターリンク熊本のやり方。
50センチュリーと60センチュリー。乗り比べてみた感想も、まさに現役VIPオーナーといった感じ。「一番の違いはマフラー音。現行センチュリーはハイブリッドなので、とっても静か(笑)。先代のV12エンジンならではのサウンドは最高でしたが、これはこれで悪くない」。

しかし、静かな音は許せても、優等生過ぎるマフラーレスは許せない。バンパー裏まで来ている純正マフラーに、Kブレイクのマフラーカッター・KBトライバルを溶接。そして、その高級感あるオーバル形状に合わせてエアロを加工し、マフラー開口を設けた。
モーターリンク熊本のこだわりを凝縮した現行センチュリー。威圧感があり、唯一無二であり、完成度の高さに感動すら覚える。モーターリンク熊本の本職はカーショップ。もし欲しいと言われれば、売る準備もできている。価格は1750万円程度の見込み。新車価格は2000万円越えであり、これだけの高級アイテムでカスタムしているとなれば、お金持ちにとっては安いと思うのかもしれない。
SPECIFICATION
●エアロ:(F・S・R)アーティシャンスピリッツ加工(W)アーティシャンスピリッツ ●ホイール:ワーク イミッツ 21inch(F)9J(R)10J ●タイヤ:ニットー NT555(F)235/30-21(R)245/30-21 ●足まわり:イデアル エアマックス ●アーム:(F)ショートナックル ●マフラー:Kブレイク KBトライバル
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モーターリンク熊本











